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黒田の魔球 打者の攻略法は [スポーツ]

メジャーから凱旋した広島の黒田博樹(40)のオープン戦初登板は、

対戦したヤクルトだけでなく、ライバル各球団に衝撃を与えた。

8日に対戦したヤクルトの真中監督は

「なんとか対策を考えないといけない」と

言葉を搾り出した。






 このまま順調にいけば、

黒田の登板は開幕第3戦目となる29日にヤクルト戦(マツダ)。

最初に黒田と対峙するヤクルトが表情を曇らせるにも当然だろう。

打者13人がパーフェクトに抑えられた。39球のうちストレートは3球ほど。

ツーシーム、カーブ、スプリットに翻弄されたが、特にヤクルト打線を悩ませたのが、

フロントドア、バックドアと呼ばれるツーシーム。


黒田の魔球 打者の攻略法は.JPG


 畠山が、「まっすぐと同じ軌道でくるので、意識すると振ってしまう」と言えば、フロントドアと呼ばれる左打者のインサイドのボールからストライクにはいってくるツーシームに手が出ず、見逃しの三振の終わった藤井は「左打者の内角へのツーシームという配球は頭になかった」と打ち明けた。

 メジャーでの黒田の生き残りの武器は、ツーシーム、カットというボールの握りだけをストレートと変えて小さく変化させる、いわゆるムービングファストボールと言われる変化球の会得だった。だが、それは、公式球が日本のそれに比べて、やや大きく縫い目が高いため、ボールの変化が大きくなるというメジャーの特性に合わせた適応。逆に日本のボールやマウンドで、「小さく動くボール」が通用するかどうかを黒田も心配していて「まだいいボールと悪いボールがある。いいボールをもっと増やさないと」と語っているのだが、その適応テストは、上々どころか、ライバル球団に脅威を与えるほどの仕上がりなのだ。

 ネット裏に陣取った各球団のスコアラーも「ストレートと同じタイミングで来るツーシームが厄介だ」と声をそろえていた。

 北京五輪で日本代表チームのスコアラーを務めた三宅博氏も、「スコアラー泣かせだ。ストレートのタイミングできて変化するボール、ツーシームに関しては、その球筋などは、実際にバッターボックスに立って肌で感じなければ、なかなかミーティングだけでは伝えきらないし攻略も立てにくい。まず打席に立ってからというような形になると、全球団が、ひとまわりするまでは、どこも対策を立てにくくなるのではないか。となると、ひとまわり各球団に投げるまで、黒田は安定した結果を出す可能性は高い」と、黒田のツーシーム攻略がいかに難しいかを説明してくれた。

では、黒田の魔球ともいえるツーシームは攻略できないのか?

そういう黒田無敵説に「待て!」と声を挙げるのは阪神DCで評論家の掛布雅之氏だ。

「ヤクルト打線は若いので黒田に対してどんどん振ってきた。メジャーも振ってくるので、小さくボールを動かして、ほんの数センチ芯を外す黒田のピッチングの掌中に入ってしまったのだろう。
だが、日本の野球は力対力のメジャーの野球とは違い、データを集めて、しっかりとした対策を練ってくる。ボールを見極め、低めには手を出さないこと、左打者はフロントドアに対応するため、反対方向への打球を意識しておくことを徹底すれば、ポイントが近くなって、これまで打ち取られてきたボールをファウルにして球数を投げさせることも可能になってくるだろう。そこでストレートに勝負を仕掛けて、もし黒田の、そのストレートに球威がなければ、さすがの彼も苦しくなる。
また先に広島に点を取られると、攻略が厄介になるピッチャーなので、黒田とマッチアップする相手チームは、味方のピッチャーががんばることが、黒田攻略の糸口のひとつになるのかもしれない。どのチームも慣れるまでは、苦労するかもしれないが、彼の凄さを敬意した上で、あえて発言するならば、手も足も出ないというピッチャーではないと、私は見ている」

 黒田は、どんどんストライクゾーンで勝負してくる。「ストライクでプレッシャーをかけていきたい」と本人も語っている。つまりストライクゾーンを使ってツーシームを投げわけてくるため、打者も打ち急ぎ、動くボールの餌食になっていく。ただ、掛布氏が指摘するように反対方向への打球を意識することで、ボールを見極めて、ひっかけたり、詰まったりする打球を減らしていけば、黒田のリズムを狂わせる可能性もあるのかもしれない。

 前述の三宅氏も、「ストレートとの見分けがつかないわけだから、攻略するならば、ストライクゾーンを二等分して、低めはすべて捨て、高めにくるコントロールミスのツーシームと、カットに的を絞るようなことしかできないだろう。メジャーでは、そこをホームランにされる場面も、多く記憶に残っている」という。

実際、メジャーで黒田は抜群の安定感で、シーズン200イニングをクリアして、ローテーションを守ったが、防御率が飛びぬけてよかったわけではない。点を奪われながらも粘り強いピッチングを続けるのが信条だったのである。

 いずれにしろメジャーでガラっとスタイルを変えて凱旋した黒田の対策、とくに魔球ともいえるツーシーム攻略は、ライバル球団にとって頭痛の種になりそうな気配である。


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