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長友の移籍金 なぜ今も未払い [スポーツ]

FC東京、チェゼーナというクラブを経て

イタリアが誇るビッグクラブのインテルへと移籍した長友佑都。

大きなステップアップを遂げた長友だったが、この裏側にはいささか厄介な金銭問題が絡んでいた。

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 右大腿部の肉離れから回復を図る長友佑都は、代表合宿には出発しなかった。

21日、インテルのマンチーニ監督は「(長友は)出さないことにした。

我々はハリルホジッチ監督と話をしたが、出せる状態ではないことを理解していただいた。

彼は良くはなっているが、まだチームで全体練習をこなしていない」と話した。


長友の移籍金 なぜ今も未払い.JPG




「重要な選手であり、今の状況で欠場は間違いなく堪えている」ともマンチーニ監督は話していた。就任後も長友が故障をしない限りは使い続けていたことから、一定の信頼は置いているのだろう。故障から復帰したダンブロージオや冬にインテルに戻ったサントンも、攻守両面で90分間安定したパフォーマンスをするというまでには至っていない。ドドに至ってはマンチーニの信頼を失った末に半月板も故障した。放出も噂されるが、長友にとっては代表中断期間後の2ヶ月が勝負といえそうだ。

 さて4年前、そのインテルとの間に完全移籍を取り付け、大きな利益を得たのは古巣のチェゼーナだ。インテルからの移籍金が約700万ユーロ(約9億1000万円)、それにジラセク、ガッリターノ、カルディローラの保有権、さらにはサントンのレンタル料も付き、実質1000万ユーロ(約13億円)もの利益を手にすることができた。地方クラブとしては相当額の収入である。

 ところがここに、一つの問題が発覚した。長友の保有権を取引するためには、レンタル元だったFC東京からパスの買取りをしなければならず、現に2011年1月に完全移籍のオプションを行使するとの契約を交わしたはずだった。だが4年経った今も、約160万ユーロ(約2億800万円)の移籍金が支払われていないというのだ。



この問題について、今日までの報道や開示されている情報などをまとめると、次のようになる。

 まず長友を獲得した当時の会長であるイゴール・カンペデッリ氏は、すでにクラブにはいない。チェゼーナがセリエBに降格した半年後の2012年12月、「私は経営権を手放すことにした」と表明。地元の投資家グループを率いるジョルジョ・ルガレージ氏が経営権を引き継いだ。

 それから約2年後、ルガレージ会長はチェゼーナがFC東京に長友の移籍金をまだ支払っていなかったことを知らされた。当然のこと、この件はローザンヌにあるスポーツ仲裁裁判所(TAS)預かりとなる。そして10月22日、同会長は自身の『フェイスブック』で、次のようなメッセージを発した(当該箇所は現在削除されている模様だが、WEBサイト上では複数の記事に残っている)。

「私は火曜日(10月21日)ローザンヌにいた。TASに赴き、FC東京の副会長と会った。そしてまた、ACチェゼーナが海外から選手を買っておきながら滞納していたことが発覚したのだ。9人もの選手にわたってやっていることは常に一緒で、総額は600万ユーロ(約7億8000万円)を超える。そのうち5件についてはすでに綺麗にしており、2014年までは3件を片付ける。そしてFC東京には2015年以内にやらなければならない」

 実はカンペデッリ前会長は、巨額の負債を残していた。経営権をルガレージ氏に譲渡した直後、なんと約3500万ユーロ(約45億5000万円)の負債をクラブに残していたことが発覚した。そこから検察は、会計虚偽の疑いで捜査を開始。現在カンペデッリ氏は、自身のグループ企業の損失補填のためにチェゼーナの資金を不正流用した容疑で当局から取り調べを受けている。

長友佑都の移籍金はなぜFC東京に支払われていないのか? チェゼーナが抱える経営の闇、そして混乱
当時のカンペデッリ会長(右から2番目)
経営陣交代によるねじれ
 とにかくその後、クラブはルガレージ氏による損出補填とセリエA昇格の収入増により倒産を免れたが、そこに移籍金未納の問題が発覚したわけだ。しかし、スムーズには解決しない。『トゥットメルカート』によれば、「インテルは長友の移籍金を3年間分割払いする契約になっており、それを受けてチェゼーナはFC東京側に買取金の分割案を提示したが、案は受け入れられなかった」という。

 ルガレージ会長は2月にも『トゥットスポルト』のインタビューに答え、「長友のレンタルのために30万ユーロ(約3900万円)を支払い、買取のオプション契約を取り付けたのはカンペデッリ。そして、インテルから実質1000万ユーロ(約13億円)の利益を手にしたものカンペデッリだ」と、混乱の直接要因は前会長にあること示唆している。ただその後も、支払いをめぐって係争は今日まで続いている。

 FC東京とチェゼーナ、そしてチェゼーナの中でも前経営陣と現経営陣との間で複雑にねじれた、少々ナーバスな問題に発展している。どうしてこのようなことになったのか直接話を伺うべく、ACチェゼーナの関係者に取材を申し込んだところ、クラブ広報を通じ「係争中の案件なので、しばらくはコメントを控えさせてもらいたい」との説明があった。

 この問題については後日改めて、深く掘り下げてみることにしたい。


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