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「ダメよ」流行 背徳的な魅力 [お笑い]

今年最もブレークした若手芸人といえば、

日本エレキテル連合の2人しか考えられない。

白塗りメークの朱美ちゃん3号というキャラクターが何度も繰り返す

「ダメよ~、ダメダメ」のフレーズは流行語になった。今年のハロウィーンでは、

渋谷の街に朱美ちゃんのコスプレをする若者が大勢集まっていた。

年末にもあちこちの忘年会でこのネタを披露する人が出没しそうだ。


「ダメよ」流行 背徳的な魅力.JPG


 大ヒットした理由は、決めフレーズの面白さと見た目のインパクトだ。日本エレキテル連合は、衣装、小道具、メークなどのディテールに徹底的にこだわっている。使うかどうかも分からない大量の衣装と小道具を家にため込んでいる。その衣装やカツラからイメージを膨らませてキャラクターを作り上げていくこともあるという。すでに100種類以上のキャラクターがあり、朱美ちゃんはそのひとつにすぎない。

 彼女たちのネタの隠し味になっているのは、タブーに触れる背徳的な魅力だ。実際、朱美ちゃんのあのコントも、話の筋を冷静にたどってみると、自分で買った女性のロボットを必死に口説く中年男性のドロドロした性欲と底なしの悲哀が感じられる。

 それ以外のネタでも、セックス、暴力、SM、犯罪など、人間社会の闇の部分にスポットを当てたものが多い。そんなテーマが根底にありながらも、笑いを交えてうまくまとめているところに非凡な才能がある。

「ダメよ~、ダメダメ」の言い方も、妙になまめかしくて卑猥である。この言葉が子供たちの間で大流行しているのは、彼らが大人社会のタブーに敏感だから。

 こういうことを言うと大人たちが眉をひそめる、イヤな顔をする、というのが子供は本能的に分かっている。だからこそ、背伸びしてそういうものを真似して面白がろうとするのだ。ひと昔前にハードゲイキャラのレイザーラモンHGがはやったのも同じこと。性的なタブーを面白がる子供たちの心をつかんだのもヒットの一因だろう。

 彼女たちは今年の顔だ。これから年末年始の特番にも数多く出演するのは間違いないし、その中で別のキャラクターもお披露目していくことになるだろう。独自の道を行く「お笑い百面相」の次なるキャラクターにも期待したい。

(お笑い評論家・ラリー遠田)

▽らりー・とおだ 1979年、愛知県名古屋市生まれ。東大文学部卒。テレビ番組制作会社勤務を経てフリーライターに。現在はお笑い評論家として取材、執筆、イベント主催、メディア出演。主な著書に「M―1戦国史」


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