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混迷シリア 恐怖支配の現実 [ニュース]

イスラム国」の勢力拡大で混迷を深めるシリアとイラク情勢。

英米仏が空爆を開始するなど、直接の軍事行動も始まった。

このかんのイスラム国の急速な台頭をシリア人のジャーナリストはどう見ているのか。

ドバイのアル・バヤン紙、特派員フェルハッド・ヘンミ記者(29)はシリア北部のアレッポ県出身。

首都ダマスカスで学んだのち、シリア北部で内戦を取材。

戦闘激化で9月下旬、トルコ南部に一時的に拠点を移したが、

現在もシリアの現状を取材しつづけている。イスラム国をとりまく情勢の分析に加え、

内戦で引き裂かれるシリアへの思いを聞いた。インタビューは米軍のシリア空爆開始前、電話を通じておこなわれた。


シリア.JPG



過激主義と部族統制で支配固める
◆イスラム国は、シリア中部のラッカを最大拠点としていますが、地元の住民はイスラム国を支持しているのですか?

ヘンミ記者:ラッカがとりわけイスラムへの信仰が深い場所だったということはありません。多くの住民が過激主義者を歓迎していませんし、その支配を受け入れているわけではありません。過激主義に共鳴する一部の人もいるでしょうが、実際にはほとんどの人びとは自分や家族の命が危険にさらされているからであり、自分が内戦のなか生きていくために仕方なく受け入れているのです。国外脱出などで、人口は以前より減っています。

◆イスラム国はどうやって町の支配を固めていったのでしょうか?

ヘンミ記者:イスラム国が敵対的、反抗的なことだとみなせば、彼らは容赦なく処刑します。反対勢力はこの恐怖支配で徹底的に封じ込められました。さらに、この処刑は見せしめとしても絶大な効果を持っています。

地方都市ラッカの社会と人びとは、伝統的に大なり小なり部族と何がしかのかかわりを持ってきました。そうしたバランスのなかでコミュニティが存在してきました。土地の文化、風土は部族と密接に結びついています。当初、ラッカやその周辺ではイスラム国や他の過激組織のやり方に、すべての部族が従ったわけではありませんでした。しかし、イスラム国は反抗的な部族に対しては、処刑を含む厳しい態度で応じたのです。

そして多くの部族が地域と共同体を守り、リーダー自身も家族と命を守るために、イスラム国の支配を受け入れました。いまはイスラム国の支配のもと、行政機関を運営するなどしています。部族はそうやって自分たちを守るしかないのです。拒否すれば、投獄されるか、殺されるしかないとわかっているのですから。


◆女性はどういう状況におかれていますか?

ヘンミ記者:イスラム国は、自分たちの決めたイスラム原理に従わない女性には罰を加えています。たとえば石打ちによる死刑です。不貞行為だと咎められて石打ち刑に処せられるなどしています。処刑だけでなく、ヘジャブをかぶっていないことも処罰の対象とされます。ヘジャブを被らないからといって、暴力的に罰するなどということが受け入れられるものではありません。彼らはイスラムの教えを自分たちで勝手に解釈してそれを法律にし、処罰まで下す。こんな状況では、女性たちは声を潜めて生きるしかありません。

◆ラッカ市内でイスラム国の支配に反対する動きはあるのでしょうか?

ヘンミ記者:当初は、過激勢力に反対する声もありましたし、ひそかに活動する人もいました。しかしイスラム国は反抗的な住民をあいついで拘束しました。恐怖支配から逃れて別の場所やシリア国外に脱出した人もたくさんいます。ただ移動も容易ではありません。彼らはスパイの侵入を疑って常に住民の動きに目を光らせていますから、命がけで脱出しています。

ラッカには過激主義に批判的な知識人や作家がいましたが、イスラム国に追われ、国外に脱出したり、ラッカで拘束され、投獄されるなどしています。女性も含まれています。私の知人も密かに活動していましたが、身の危険が迫り、脱出しました。一部の町では、ひそかにイスラム国に対して武器をとって戦おうとする人もいますが、現状では勝ち目はないでしょう。

<シリア>現地記者に聞く(1)~イスラム国台頭の背景にあるものとは?
シリア全土の面積は日本のおよそ半分に相当。青で示した部分がイスラム国の支配地域。その広大さがわかる。
◆一般のイスラム教徒は、イスラム国のやりかたをどう思っているのでしょうか?

ヘンミ記者:私も含めてシリアのほとんどの人びとはイスラム教徒です。そしてスンニ派が多数を占めています。法を犯した者は法に従って罰せられることはあるでしょう。しかし、私たちはムスリムとして、あんな公開処刑や殺戮行為を受け入れてはいません。イスラムの正しい教えに反するものです。人間を斬首するなんて、アラブ人でも、クルド人でも受け入れるわけがありません。人間の知性に大きく叛くものです。でも過激主義者の暴力を前に、普通の人びとはどうすることもできないのです。まさか自分の国でこんなことが毎日のように起きるなんて、誰が想像したでしょうか。


出典YAHOONEWS



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